2017.01.18全ての記事
「ホワイト・コウダ」種グース(マザーグース)について
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1946年、ポーランド共和国の農業復興に欠かせない生産性・競争力の向上を目的に、農業省は同国北西部のコウダ・ヴィエルカに動物飼育科学研究施設を開設。 初代所長のカジミェシュ・ヴェリンスキ博士とその妻クリスティナは、1962年にデンマークから輸入された純白のグースに魅せられ、その品種改良と飼育技術研究、全国普及に生涯を捧げることになります。 彼らの信念と情熱は義理の娘であるハリナ・ヴェリンスカ博士(現副所長)とその同僚に引き継がれ、50年の歳月を経た今日、品種改良に於いては、雌1羽当たり平均12羽のヒナであった繁殖能力を、平均50羽以上にまで高めるなど大成功を収め、普及に関してはポーランドの国中のグースのほぼ100%を占めるなど輝かしい実績を残しました。 「ホワイト・コウダ」は独立したグース「種」と認定され、2001年には商標登録も完了。今では「ポーランド産グース」の同義語となった「ホワイト・コウダ」ですが、研究者たちによる普及活動を支援してきたのは、他でもないポーランド政府です。 年間3万トン近い肉が輸出され、ダウンも業界最高値で取引される「ホワイト・コウダ」グースはポーランドの農産品輸出に於けるスーパースター的存在。そのため、自由主義経済に移行してから20年以上を経た現在でも、全国の数百万羽の肉用グースを提供する約30万羽のマザーグース農場の上に、厳選したエリート種鳥を繁殖させてマザーグースを供給するコウダ・ヴィエルカ研究所が君臨する構図は、堅牢な要塞のように不変です。 |
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品種改良開始から50年。DNA鑑定も容易なほど純血化を進め、世界的に評価の高い肉や羽毛の品質を更に向上させるための種鳥の選抜を重ねる他、種鳥の数を絞ることで全国のグース供給過剰を防止するなど、ポーランド全国の品質・数量をコントロールしてきたコウダ・ヴィエルカ研究所。世界でも稀な成功を収めてきた同研究所を頂点とするシステムも、市場の変化の前には永遠に磐石であるはずがありません。 現所長のエウゲニウシュ・クウォポテック氏はポーランドの現政権連立与党の国会議員(現職)。世の中の潮流を読み解き、方向を定める戦略策定能力と、それを実現する力とを兼ね備えています。ホワイト・コウダグースを究極の「スロウフード」と定義し、ポーランドグース飼育が伝統的に小さな家族経営農場主体である点や、主婦がオーブンで一晩掛けて焼き上げる手間など、効率とスピードを追求する現代の欧州社会が失った「価値」を訴求するほか、徹底したブランド管理でホワイト・コウダの価値を高めるべくエネルギッシュに活動。 これまで輸出に完全に依存し、殆ど国内消費の無かったグース肉につき、市場創出と拡大に成功。今年(2016年)もホワイト・コウダ50周年を記念して各種事業を計画中とのこと。 次の半世紀、ホワイト・コウダグースの世界市場に於ける一層の飛躍が期待されます。 |
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空気中に浮遊する軽さなのに、顕微鏡でしか見ることのできない複雑な構造を持つグースの羽毛(ダウン)。暖かい空気をしっかりと閉じ込めながら、湿気は逃し、保温性・透湿性は抜群です。 最も古いグースの化石は なんと恐竜と同時期の7千万年前のもの。数億年の進化を経て自然界で造られたグースの羽毛を超える保温材を人間は未だに造ることができません。 ヨーロッパ最大のグース生産国であるポーランドでは 1962年から国家事業としてグースの純血化を進めてきました。今日では国立コウダ・ヴィエルカ動物科学研究所の「ホワイト・コウダ」という種がポーランド全国ほぼ100%普及を完了し その純白の羽毛は世界の市場で「最高の保温材」として名声を博しております。 モノ作りに徹底して「こだわり」を持つ日本の市場には40年以上前から輸入され高級羽毛寝具に欠かせない素材となりました。 本製品には DNA鑑定も可能な正真正銘の「ホワイト・コウダ」種グースの羽毛が充填されております。また ポーランド商工会議所・家禽評議会の管理の下 実際の輸入数量に基づい てトレーザビリティ管理されております。 |
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▲純ポーランド産ホワイトコウダ種グースダウン証明書(中面) |