2015.09.30第四章 買ってはいけない!「インチキ羽毛布団」
1.悪質業者のでたらめな情報
①表示の真っ赤なウソ
ここでは、あるインターネットサイトの事例をお話しします。
あるサイトで、最高級品であるアイスランドアイダー羽毛布団の素晴らしさを、とても丁寧、熱心に紹介していました。メーカー希望小売価格で百万円以上する商品です。
そのすぐあとに、○○アイダー羽毛布団が十万円程度で紹介されています。その品の中綿の説明は、なぜか詳細ではなく、側生地の打ち込み本数も記載されてはいませんでした。
このようなハッキリしない表示でも、文字で書かれていると、初めに紹介していた最高級品のアイスランドアイダー羽毛布団とダブり、とてもいいものに見えてしまいます。
これだけではありません。
表示は高級ハンガリーグース羽毛布団なのに、実際は中国ダックダウン羽毛布団・・・。など、こういった産地のウソ、種類のウソはあまりに多い事例なのです。
もちろん、虚偽の記載は法的に見ても問題ではあります。
しかし、日本羽毛製品協同組合が4年前に行なった試買テストでは、実際、約70%が虚偽の表示をしていたという結果も出ているのです。
また、グースかダックかを表示する義務はないので、あいまいな表示をしているところも多く存在しています。
例えば、ダウンの種類を“ホワイトダウン”と表示しているものがありますが、“ホワイトグースダウン”なのか“ホワイトダックダウン”なのかがハッキリせず、あいまいにしたまま販売しているところも度々見かけます。
このような表示のウソでも最も惑わされて欲しくないのが、産地の偽りです。産地を偽る業者は多くいますが、最近では、産地によって大きく品質が異なるということはありません。産地の表示に惑わされず、かさ高などをきちんと見て、「インチキ羽毛布団」に手を出さないよう、気を付けて下さい。
②悪質羽毛布団販売業者のでたらめな情報
第一章の冒頭で述べた、I社は、「洗える羽毛布団を販売しているのは、I社だけ!」ということをセールスポイントとして前面に出し、販売を行なっています。
しかし、洗える羽毛布団がないなんて、ありえません!!
第一、布団の中に入っている羽毛は、水鳥の羽根なのです。水で洗えないわけがありません。海外では、布団を洗うことは常識ですし、ただ日本では、海外のように大型の洗濯機ではなく、少量を洗う小型のものであるために、その常識が浸透しなかったということもいえると思います。
また、ご家庭で洗う場合は、軽く脱水し半乾きの状態のときに、だまにならないよう手で羽毛をほぐすことが必要でした。この作業は非常に面倒であり、時間もかかってしまいます。ですから、家で羽毛布団を洗っているという家庭は少なかったとも言えます。
このように、「洗える羽毛布団はうちだけ!」なんて言う宣伝文句は、真っ赤なウソなのです。
もう一点、「日に干せる羽毛布団を販売しているのは、I社だけ!」という宣伝文句もあります。もちろん、これも真っ赤なウソです。
羽毛布団は、日干しをしなくても十分に膨らみます。普段のお手入れは風通しのよいところに置いてもらえれば、十分に乾きます。なので、殺菌を行う意味で、週に1回、片面1時間ずつ程度日干しをすればよいのです。
この業者がどれだけでたらめな常識を消費者に押し付けているか、ご理解いただけたでしょうか?
こういったでたらめな情報を流し、高額な「インチキ羽毛布団」を売りつけている会社は少なくないのです。
ですから、あなたが偽りのない、最良の羽毛布団と出会うためには、正しい常識を身につけ、「インチキ羽毛布団」を見極めなくてはならないのです。さもないと、価格ほどの価値のない「イイ羽毛布団」に偽りの満足を抱いて睡眠をし続けることになるのです。